1.メールの基本形
ビジネスメールの基礎です。分野によって違いはあると思いますが、基礎的な形は概ね同じです。
■社外の方に送付する場合
タイトル:会員登録画面の仕様変更について
株式会社◯◯ 木原様
いつもお世話になっております。
ライシスの杉本です。標記の件、添付:【会員登録仕様書ver1.05】の通り
仕様書を変更いたしましたので、
ご確認いただきますようお願い申し上げます。宜しくお願い致します。
ポイント
・タイトルを具体的に記載
・宛先に所属と個人名を記載
メーリングリストで送付することが多いですが、その場合でもメインで読んでほしい方は名指ししましょう。
・所属と名前を名乗る
・ある程度の長さで改行(ケースバイケースですが、30文字位でしょうか)
この辺りは、社外/社内の区別はあまりないですね。
■社内の方に送付する場合
タイトル:会員登録画面の仕様変更について
木原さん
お疲れ様です。杉本です。
標記の件、添付:【会員登録仕様書ver1.05】の通り
仕様書を変更致しましたのでご確認ください。よろしくお願いします。
ポイント
・相手も自分も所属は不要
・敬称が、様→さん(部下だとしても"くん"や、女性なら"さん"は付けましょう)
・社内の場合は、「お疲れ様です。」で始める。
・敬語は多少くだけていてもOK
2.現場や相手の会社さんによって文化が違う
基本形は上記の通りなのですが、相手によって変えてしまってOKです。と、言うより変えて下さい。会社によって文化が異なるというのはよくあることです。
例えば、私が昔お世話になっていた大手メーカーのN社では、相手の敬称はどんな場合でも「殿」を付けます。そういった場合は、それに倣ってください。その方が受け手は違和感なく読めるからです。
あ、ちなみに、敬称と言えば、役職を宛先に記載する場合は敬称は不要です。
本来は以下の書き方だと間違っていることになります。
「株式会社Lysis 杉本社長様」
3.メールも電話と同じ
電話で他社の方とお話する際には、自社の人間に「さん付け」するのは間違いですよね。
☓ 杉本さんが仰ってました
◯ 杉本が申しておりました
となり、敬語・ビジネス用語で説明した謙譲語を使うことになります。難しく考える必要はありません、メールも電話と同じです。その辺りは電話の方で詳しくご説明します。
4.返信する際の宛先
メールを返信する際には【全返信】を使いましょう。
送信者が選んだ宛先を勝手に削ってはいけません。必要があれば追加は良いですが、その際はメール本文に理由を添えて記載するのがマナーです。
ただ、例外もあります。宛先にエンドのお客様が含まれており、内容が聞かせられないような場合は、敢えて削って一旦お伺いをたてるようなメールを送ることもあります。
この様に、ケース・バイ・ケースなのですが、基本的には全返信だと考えておいてください。
5.メールの一番大切な技術
ここまではルールとマナーを記載してきました。しかし、ルーキーにとってメールでいちばん大切な技術は、そんなことではありません。
- メールに残すこと
- メールを読んでもらうこと
この2つだと思っています。どちらも読んで字のごとくですがご説明いたします。
【メールに残すこと】とは、例えば電話で相談・報告・依頼したことは、そこで終わりではなく、必ずメールしておきましょう。誤解の可能性を潰しておく、記録に残しておく、ことが大事なのです。
方向を受ける・相談されるような対象者はたいてい忙しいです、忘れてしまうこともあります、「そうだっけ?」と言われて何も残っていない場合、悪いのはあなたになってしまいます。
もう一つは、【読んでもらう工夫】です。
例えば、、、
タイトル:先程の件について
皆様
お世話になっております。
:
タイトル:開発スケジュールの遅れについて
田中様、佐藤様
お世話になっております。
:
上記の違いはわかりますか?
システムの仕事は一日数十件以上のメールがくるので、相手に読んでもらうことは大事なのです。1つ目の例は誰も読んでくれない可能性があります。というか読まないと誰が対象なのかわかりません。2つ目の例は、嫌でも田中さんと佐藤さんは目を通すでしょうし、「遅れ」に引っ掛かる人間は少なくないと思います。